スポンサード リンク

万年筆には試行錯誤の歴史がある

万年筆ができる前のペンといえば、昔の映画などによく登場する、鳥の羽で作ったペン・・・アレが万年筆の原型になったのかもしれません。ただいちいちインクをつけるという面では、まだ万年筆と呼ぶには程遠いものでした。1809年、イギリスのフォルシュが、軸の中にインクをためることができるペンを発明したことから、これが今の万年筆の原型といってもいいでしょう。しかしインクのボタ落ちや
インクフローの悪さからまだまだ実用向きには程遠いものでした。それから74年後、1883年アメリカのウォーターマンが、ついに現在の全ての万年筆に採用されている、毛細管現象を応用したペン芯を発明しました。74年にわたる試行錯誤の末に、ついに実用的に使える万年筆が誕生したのです。日本に万年筆が入ってきたのは、明治17年だそうです。当然日本は、この時代も筆と墨を使っていました。

万年筆の魅力って?

万年筆をはじめとする筆記用具なるものは、パソコンに向かいキーボードを打ち、メールでやり取りする主に若者層には、見向きもされず知る人すらいない時代になってきましたが、ここに来て俄然、万年筆の人気が再燃しつつあるという現象はどうしてでしょうか?年賀状すらメールで済ましてしまうこの時代に、心温まる喜ばしい現象ではないでしょうか。万年筆は手書きという動作に、その人の体温を感じ
、人柄が見えるという最良の筆器具です。まっさらな紙にペン先を滑らすと、素直な自分に戻れ、忘れていた自分を取り戻せるかのような時が味わえる万年筆の魅力は、何物にも変えがたい最良の道具です。そもそも日本語は、筆で書くのがいちばん表情が豊かで、書くひとの人柄を表現できるものですが、かといって今の時代に筆と墨を持って仕事はできません。そうなると、文字に感情を持たせる唯一の道具はやはり万年筆です。メールにもない、ボールペンにもない表現力が万年筆にはあるのです。

スポンサード リンク

万年筆って人の名前からとったらしい?

万年筆が日本に伝わってきたのは1884年、明治17年横浜の貿易商バンダイ商会がアメリカ製の「コース針先泉筆」を輸入したのが始まりとされています。
その後は、現在の丸善がウォーターマンやオノトなどを輸入し販売をはじめたことで、一般の人たちにも広まっていきました。それを機にわが国でもオリバー、スワン、サンエスといった多くの国産メーカーが誕生し、万年筆の普及が急速に高まりました。今でもパイロット万年筆、セーラー万年筆、プラチナ萬年筆が存続し、モンブラン万年筆、パーカー万年筆、ペリカン万年筆などと並び、愛用されています。万年筆のネーミングの由来は諸説あるようで定かではありませんが、先に入ってきたペンを「針先泉筆」と名づけたため「ファウンテインペン」を泉筆とはいえなくなり、輸入元の担当者が金沢万吉さんだったことから、すごく長持ちをするという意味から「万」をとって万年筆といわれたという話も伝え残っています。

Copyright © 2008 万年筆には書く人のこころが宿る。